南西アフリカ事件⑤
南アフリカが委任統治する南西アフリカについて、新しい信託統治制度に移行する義務が、南アフリカにあるのかが、この南西アフリカ事件のテーマです。
国際連盟を国際連合が、実質的には継承してるといっても、別の団体です。
国際連盟では日本は理事国の一つでした。でも第二次大戦の戦勝国のなかま内でつくった国際連合では安保理の常任理事国に入れてくれません。
別団体やんか!!って感じです。
実際、国際連盟は解散して消滅してます。
南アフリカ以外の委任統治の受任国は、おとなしく信託統治に切り替えていきました。でも南アフリカは拒否します。
「え?信託統治に移行しろって?うちが南西アフリカ支配してんのは、国際【連盟】の制度であって、国際連合のあんたらになんも言われる筋合いはねーよ!!」
てな感じです。
しかも南アフリカはヤバいです。
第二次大戦後、南アフリカが行っていた政策はアパルトヘイト……そう、人種差別政策をバンバン進めていくんです。のちにネルソン・マンデラが戦って人種の平等を勝ち取ることになりますが、あれです。
特権階級にある白人が黒人を支配して、白人が良い土地を全部とっちゃいます。その上で黒人はカスみたいな土地に押し込めちゃいます。ひどい。
南アフリカが支配してる南西アフリカでも、同じようにアパルトヘイト政策を進めて、南西アフリカの黒人は黒人地域に閉じ込められていきます。
しかも南アフリカはちょーし乗って、南西アフリカを併合するで!とか言い出しました。やりたい放題です。
そんな感じなんで、 平和とか、人種の平等をうたってる国際連合は非難しまくりです。当然です。
国連は、「併合なんか許さんで!はよ信託統治に移行せーよ!」といいますが、南アフリカが無視するので、今回の裁判になりました。