次の国連事務総長①

今月はトランプ大統領爆誕で世界に衝撃が走りましたが、実は先月に次の国連事務総長も決まりました。

 

ポルトガル人のアントニオ・グテレス🇵🇹が来年からの5年間、国連の事務総長(Secretary-General)を務めます。

 

今の事務総長は誰でしたっけ。そう、韓国人の潘基文🇰🇷です。潘基文は2007年から2016年までの10年、事務総長を務めています。長い!10年ですよ。

 

そもそも国連事務総長ってなんなんでしょう。日本のネットでは、「韓国人が世界大統領とか呼んでホルホルしてるあれね〜」といって卑下する人もいますが。

 

国連事務総長は、国際連合という国際組織運営における事務方のトップです。「国連の顔」であり、国連をリードし、象徴する存在でもあります。

 

国連の権力は圧倒的に安全保障理事会が握っていますが、安保理国連総会などで意思決定された政策をこなしていく事務局の影響力は全く侮れません。

 

事務総長は決してどーでもいい役回りなどではなく、多大な影響力を有する相当な権力者なのです〜。が、事務方なので、その影響力を生かすも殺すもその人しだいという面もまた大きいのです。

 

大国にも臆さずに強いリーダーシップをもってバリバリ国際社会を方向付けていく事務総長もいれば、そうでない事務総長もいるのです。国際組織は普通の各国政府よりも空白部分が多く融通が効くのでなおさらです。

 

潘基文はどのような事務総長だったのでしょうか。あまり評価されていないのが実情のようです。

 

「日本のネットで評判は悪いけど…まあ右な感じの人のDisやろ…?なんだかんだ再選されて10年も務めてるし、ゆうて有能なんやない…?」

と思っていたのですが、そうでもなかったです。

 

まず、事務総長は再選されて2期10年務めるのが慣例になっていて、デフォルト。潘基文は8代目の事務総長ですが、過去に再選されなかったのは6代目のブトロス・ガーリ🇪🇬(エジプト人)だけです。

 

ちなみに第6代事務総長ブトロス・ガーリはアメリカにグイグイくる感じだったので、安保理で拒否権を持つアメリカがうざがって慣例に反して一期で切りました。

 

潘基文は韓国の外交官出身で、韓国で外務大臣も務めました。官僚出なので、政治力はあまりありません。そのことについては自分でも1期目の就任前から言っていて、自分はぐいぐいやる方やないけど内心めっちゃ熱い思いはあるんやで!quiet diplomacy(静かな外交)や!みたいなことをいってました。

 

quiet diplomacyは東洋的な美徳でもあるんでしょうけど、やくざもんみたいな大国や中国や小国が日夜パワーゲームを繰り広げている国連という組織の運営がquietな感じでうまく回るのかというと、これはもう無理ですね。

 

 

ですが、潘基文はそういう当たり障りの無さそうなところが買われて事務総長に選ばれたのです。安保理に。

 

1期目で切られたブトロス・ガーリ🇪🇬の後任、7代目の事務総長のコフィ・アナン🇬🇭(ガーナ人)もわりと強くリーダーシップとる系だったので、安保理常任理事国とりわけ米露が「次は毒にも薬にもならないようなのがいいね…」という感じで選んだのが潘基文です。だから悪いのは潘基文よりも潘基文を選んだ安保理常任理事国ですね。