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ブトロス=ガーリ

ブトロス=ガーリ(Boutros=Ghali)は、国連の第6代事務総長(Secretary-General)です。

 

1992年から1996年の一期5年事務総長を務めました。

 

ブトロス=ガーリはエジプト人で、昨日知って驚いたのですが、昨年93歳で亡くなっていました。1922年生まれです。

 

国連事務総長としての評価は、あまり高くありません。むしろ低い。

 

ただブトロス=ガーリはもともと学者出身で、パリ大学で博士号を取っています。

 

学者肌の理論家で、自己の理論を事務総長として国連に持ち込もうとしたところ、上手くいかなかったのです。

 

ブトロス=ガーリの理論は、平和を形成・維持するために軍事力も上手く使おうというもので、予防外交(preventive diplomacy)という考えの流れの一つです。

 

ブトロス=ガーリは、このような理論のもと、国連PKO(平和維持活動)の活動のあり方を拡大し、ソマリアユーゴスラビアに軍事介入しましたが、成功しませんでした。

 

ソマリアにおける国連PKOの軍事介入で多くの犠牲を出したことから、アメリカはブトロス=ガーリと対立し、ブトロス=ガーリの事務総長再選に拒否権を発動することとなりました。

 

事務総長の任期は一期5年で、再選され10年務めることが慣例となっており、これまでに再選されなかったのはブトロス=ガーリだけです。

 

 

ブトロス=ガーリについて面白いことは、東郷平八郎を尊敬していたことです。

 

ブトロス=ガーリが生まれた頃のエジプトはイギリスの植民地で、祖父はイギリス勢力下で樹立されたエジプト王国(ムハンマド・アリー朝)で首相を務めています。

 

植民地国に生まれたブトロス=ガーリは、日露戦争で日本がロシアを破ったという教科書で読んだエピソードに勇気付けられ、以来日本海海戦の英雄である東郷提督を尊敬するようになりました。

 

来日の度に、東郷平八郎を祀る原宿の東郷神社に参拝していたそうです。

 

 

もう一点興味深いのは、ブトロスという名前です。

 

ブトロス=ガーリは、イスラームが多数を占めるエジプトで、キリスト教(世界的にはマイナーなコプト派)の家庭に生まれました。

 

ムハンマド・アリー朝という親欧米政権で、祖父が首相を務めてたのもキリスト教徒だからという理由もあると思います。

 

さて、ブトロスという名前ですが、これはキリスト教でいう聖ペトロのアラビア語読みです。英語でいうとピーター、ロシア語でいうとピョートルです。

 

ペトロ→ブトロス は言われてみると確かに!と思いました?