投機的リーダーシップ
政治学の理論で、リーダーシップ論というのがあります。
リーダーシップ論の中でも、社会を取り巻く状況に応じてリーダーシップは発揮されるとする、状況理論というのがあります。
社会が安定していると、社会を安定させるような、ちゃんとした(?)リーダーが求められますが、
戦争など社会をが混沌とした状況では、人々の不満を汲みあげるポピュリストや、逆に新しい価値観を掲げる新時代のリーダーが求められ、出現するというのが状況理論です。
まあそんな気はしますよね。
社会状況の安定期
①伝統的リーダーシップ
②代表的リーダーシップ
社会状況の不安定期
③投機的リーダーシップ
④創造的リーダーシップ
状況理論では、リーダーシップは①〜④の4つに分類されます。
①伝統的リーダーシップはわかりやすい。村長みたいなイメージです。むかしからのしきたりに頼ります。既成の社会秩序を維持します。
②代表的リーダーシップは、いわゆる普通の政治家。民主主義の仕組みが想定しているリーダーで、既成の社会の秩序の中で利益を配分します。
③投機的リーダーシップ
社会の不満を爆発させます。ヒトラーとかファシストのイメージ。ユダヤ人など社会の「悪者」を作り出したり、戦争したりします。規制の社会秩序を壊します。
④創造的リーダーシップ
これは、社会が不安定になる中で、新しい価値観を提示して、人々を導きます。
明治新政府はこれに近いかなあ。
新宗教の教祖もこんな感じのことを主張して、社会の混迷期に出現しますね。
ヒトラーも新しい価値観を提示し、創造的リーダーシップを演出していたのだろうと思いますから、社会の不安定期に出てくる投機的/創造的リーダーシップは紙一重というか、分別に価値観が入ると思います。
しかしアメリカのトランプ大統領は投機的リーダーシップの感が強いです。
現代のスケープゴートになるのは誰なのか、ムスリムがそうならないように願いたいです。