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処分性

行政法

「事例研究 行政法』の問題2をやりました。

 

ラブホテル業者が、とあるところにラブホテルを建てるため、県に建築確認申請をしようとしています(建築基準法6条)

 

ところが建築予定地の市が上乗せ的にラブホ規制の条例を制定していて、市はラブホ建設に同意しません。

 

原告のラブホ業者は仕方ないので市の同意を得られないまま、県に建築確認申請を強行しました。しかし県は市の同意がないことを理由に建築確認を留保してます。

 

ラブホ業者は市と県を、それぞれどのように訴えられるか、という問題です。

 

まず市が条例に基づいてラブホ建設に同意しないことについて、市の「不同意」に処分性が認められるか。

 

ちなみに、市が不同意を無視して建築を続行すると、確実に市は建築中止命令を出すという運用がなされています。さらに、この中止命令に違反すると、懲役や罰金の行政罰が課されると市の条例で定められています。

 

処分性が認められないと、取り消し訴訟を提起できません。

 

処分とはなんでしょうか。

 

判例では、

「行政庁が行う処分とは、公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定するものをいう」(大田区ゴミ処理場設置事件、昭和39年判決)

 

となっています。

 

前半の、公権力性については是認できます。

 

問題は、この不同意が法的地位に与える影響です。

 

処分か否かは、行政庁の行為の根拠法令の解釈から導かれます。

 

通常、市の同意などは行政指導であり、法的拘束力はありません。直接に法的地位に影響しないので、処分性は認められないのが通常です。

 

しかし本件の場合は、市の条例は、不同意が確実に建築中止命令という処分につながるような運用が為されています。

 

なので、建築中止命令をまって、その建築中止命令を取り消し訴訟するというのが通常の本筋ですが、もうどうせ建築中止命令がほぼ100%出るのだから、建築を強行して建築中止命令を待つのは時間と金の無駄です。

 

不同意は将来の中止命令の前に行なわれる中間的な性格の行為ですが、中止命令が確実なため、紛争が成熟しており、合理的な、また実効的な権利救済の観点から処分性を肯定し得ます。