ノルウェー公債事件③
ノルウェーもフランスも、トラブルがあったらICJで決着をつけるよと事前にICJに加入していました。
ところが、フランスがつけていた留保が問題になったんです。
フランスは、「ICJには入るけど、トラブルがICJで国際的に裁く問題か、うちとこの国の中で裁く問題かは自分で決めちゃうもんねー」
という留保をつけてました。
こういう自分で勝手な留保を「自己判断留保」(self-judging reservation)と呼びます。
ICJで争えることかどうか、自分で決めるということは、フランスはよその国にICJで訴えられても、「あ、それはうちの国内だけで裁判することになってるんで」としれっと言ってICJでの裁判を拒否することができます。
今回はこの
①自己判断留保(self-judging reservation) と、
②相互主義(reciprocity)が問題となりました。
相互主義は、争うならフェアで、ということです。つまり、自分が留保をつけていると、その留保が相手国にも適用されるということです。
自分だけ得することは許されないのです。自分がズルのために留保すると、ズルはブーメランとしてかえってくるんですね。