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次の国連事務総長②

今回のグテレス事務総長の選出には、現在の国連に対する強烈な危機感が背景にありました。10年前に潘基文を選んだ大国の思惑通り、10年間もの長きにわたって国連事務局は停滞しそのポテンシャルを発揮できずにいるのです。

現在の国連事務局が抱える問題はいくつもありますが、二つの大きな問題に直面しています。

 

一つは難民問題に対する対応の遅れです。大国に追従していると批判される潘基文事務総長は中露などの人権状況に干渉を控え、また現在ヨーロッパ、中東、北アフリカに波乱をもたらしている難民問題にもなかなか有効な手をうてていません。

 

人権と平和は国連の最も重要なテーマですが、潘基文は自分の方向性はそれらよりも気候変動問題にあると言います。たしかに気候変動問題など環境問題は世界の人権と平和を基礎付ける重要な問題です。それも実は喫緊の問題です。潘基文は新たな気候変動枠組みの合意に貢献しましたが、アメリカのトランプ新大統領は温暖化懐疑論者であり環境を軽視しているため、今後の先行きが怪しくなってきました。

 

二つ目の国連が抱える問題は、国連機構の硬直化です。

どこの組織でもそうですが、ちょっと放っておくといいポジションについた人々は既得権益を守るようになります。国連もそうです。ニューヨークやジュネーブの高級ポストでぬくぬくとするばかりで、現実の問題に消極的になります。

国連職員の官僚化は本当に深刻なようで、各国政府が世界平和のために出した金の多くが職員の給料に消えるといった事態もおこりつつあります。国連の一部門であるUNESCOでは予算の半分が職員の給料になるとか。

 

国連は崇高な目的を持った理想主義的な組織です。その目的から離れて自己の利益とか考え出したら正統性を失ってゴミになります。

 

これら難民問題と国連機構の硬直化の問題といった超だいじな差し迫った問題を背景に、今回新事務総長が選ばれたんですねー。