憲法裁判所
Voice of AmericaのLearning English(英語学習者向け番組)のニュースを聞いていると、
"Former President Park Geun-hye was removed from office by South Korea's national assembly in December.
That vote was confirmed by country's Supreme Court last month."
と伝えていて、信頼あるVOAでも正しく伝えないことがあるのか〜と思った。
韓国国会🇰🇷の弾劾を承認したのは大法院(Supreme Court)ではなくて憲法裁判所(Constitutional Court)だよなあと思った。
しかし、敢えてSupreme Courtと訳したのかもしれないとも思った。
アメリカには憲法裁判所はないし、いちいち英語学習者に説明するようなことでもないからSupreme Courtと訳したのかもしれない。
ところで、このあいだ韓国の法曹関係者に聞いたことだが先日の憲法裁による判断は、「判決」でなく「決定」らしい。
司法判断に不可欠な事実認定抜きで行われたもので、司法判断でなく、政治判断とのこと。
ことばと心理
東京のいわゆる標準語を完全に使いこなしていますが、標準語と関西弁(神戸弁)だと話す態度に違いが出ます。
たぶんこれは母語だからというよりも、(関西の文化に由来する)関西弁そのものの性質だと思いますが、関西弁で喋った方が開放的で社交的になれます。
関西弁を使うの対象がほぼ関西出身の親しい人に限られているのを差し引いても、そう思います。
標準語だと、
かしこまる
表情が硬くなる
口数が減る
内省的
悲観的
一方で、関西弁だと、
開放的
てきとう
ぞんざい
軽口をたたく
ボディランゲージが増える
表情が増える
になります。
関西だと、議論をしようとしても、すぐに茶化し、脱線し、大喜利など笑いに変えてしまうゆえに、突き詰めた理屈っぽい議論がしにくいと言われることがありますが、ぼくもそう思います。
少なくとも、東京でも関西弁で通している人で理屈っぽい人は未だあったことがないです。
ブトロス=ガーリ
ブトロス=ガーリ(Boutros=Ghali)は、国連の第6代事務総長(Secretary-General)です。
1992年から1996年の一期5年事務総長を務めました。
ブトロス=ガーリはエジプト人で、昨日知って驚いたのですが、昨年93歳で亡くなっていました。1922年生まれです。
国連事務総長としての評価は、あまり高くありません。むしろ低い。
ただブトロス=ガーリはもともと学者出身で、パリ大学で博士号を取っています。
学者肌の理論家で、自己の理論を事務総長として国連に持ち込もうとしたところ、上手くいかなかったのです。
ブトロス=ガーリの理論は、平和を形成・維持するために軍事力も上手く使おうというもので、予防外交(preventive diplomacy)という考えの流れの一つです。
ブトロス=ガーリは、このような理論のもと、国連のPKO(平和維持活動)の活動のあり方を拡大し、ソマリア、ユーゴスラビアに軍事介入しましたが、成功しませんでした。
ソマリアにおける国連PKOの軍事介入で多くの犠牲を出したことから、アメリカはブトロス=ガーリと対立し、ブトロス=ガーリの事務総長再選に拒否権を発動することとなりました。
事務総長の任期は一期5年で、再選され10年務めることが慣例となっており、これまでに再選されなかったのはブトロス=ガーリだけです。
ブトロス=ガーリについて面白いことは、東郷平八郎を尊敬していたことです。
ブトロス=ガーリが生まれた頃のエジプトはイギリスの植民地で、祖父はイギリス勢力下で樹立されたエジプト王国(ムハンマド・アリー朝)で首相を務めています。
植民地国に生まれたブトロス=ガーリは、日露戦争で日本がロシアを破ったという教科書で読んだエピソードに勇気付けられ、以来日本海海戦の英雄である東郷提督を尊敬するようになりました。
来日の度に、東郷平八郎を祀る原宿の東郷神社に参拝していたそうです。
もう一点興味深いのは、ブトロスという名前です。
ブトロス=ガーリは、イスラームが多数を占めるエジプトで、キリスト教(世界的にはマイナーなコプト派)の家庭に生まれました。
ムハンマド・アリー朝という親欧米政権で、祖父が首相を務めてたのもキリスト教徒だからという理由もあると思います。
さて、ブトロスという名前ですが、これはキリスト教でいう聖ペトロのアラビア語読みです。英語でいうとピーター、ロシア語でいうとピョートルです。
ペトロ→ブトロス は言われてみると確かに!と思いました?
総理夫人のきもち
森友学園の問題は、国有地払い下げに始まって、安倍昭恵 総理夫人の献金問題に発展しています。
安倍昭恵さんは、日本有数の実業家の家庭に生まれ(森永?)に生まれ、しっかりとした自信の価値観を身に付け、医療大麻にさんせいしたり、よりリベラルな活動家にも理解を示したりと、「家庭内野党」とも呼ばれる働きを示してきました。
しかし今回、思想的にも法律的にも問題があるような森友学園に献金したことが真実であるとしたら(まだ分からない)、おそらく昭恵さんは今人生最大の岐路に立っているのではないかと思います。
第一次安倍内閣、第二次安倍内閣と、これまでも総理大臣の妻としての役割を 深く理解し総理夫人として活躍してきた明恵さんは、
本当に今、自分の行動で、日本国の未来が変わってしまうという実感を抱いているのではないかと想像します。
日本史上まれに見る強力な内閣の生命が、自分の対応に掛かっているというのはなんとも大変なことです。
もしかすると、憲法が改正するかしないかが掛かっているかもしれません。
関係ないですが、森友学園の国有地払い下げ問題で、明治時代の開拓史官有物払い下げ事件を思い出します。
金持ちは長生きする?
経済格差は寿命の格差につながっているのでしょうか?
金持ちだと、生活レベルは高く、良いものを食べ、上質な医療サービスを受けることができるでしょう。よって、寿命も長くなるのでしょうか?
スタンフォード、MIT、ハーバードの研究者らが共同で、2001~2014年にかけて延べ約14億人の米国人を対象に所得と死亡率の因果関係を調査しました。
その結果が発表された『米国医師会雑誌(JAMA)』収録の「貧富による寿命の格差」によると、
男性については、上位1%の超富裕層の平均寿命は87.3歳なのに対し、下位1%の最低所得者の平均寿命が72.7歳です。
平均で14.6年もの寿命の格差が生じていました。
そして女性も、上位1%の平均寿命が88.9歳なのに対し、下位1%の平均寿命は78.8歳です。
平均10.1年の格差です。
平均ですらこんなに差があるとは驚きです。
投機的リーダーシップ
政治学の理論で、リーダーシップ論というのがあります。
リーダーシップ論の中でも、社会を取り巻く状況に応じてリーダーシップは発揮されるとする、状況理論というのがあります。
社会が安定していると、社会を安定させるような、ちゃんとした(?)リーダーが求められますが、
戦争など社会をが混沌とした状況では、人々の不満を汲みあげるポピュリストや、逆に新しい価値観を掲げる新時代のリーダーが求められ、出現するというのが状況理論です。
まあそんな気はしますよね。
社会状況の安定期
①伝統的リーダーシップ
②代表的リーダーシップ
社会状況の不安定期
③投機的リーダーシップ
④創造的リーダーシップ
状況理論では、リーダーシップは①〜④の4つに分類されます。
①伝統的リーダーシップはわかりやすい。村長みたいなイメージです。むかしからのしきたりに頼ります。既成の社会秩序を維持します。
②代表的リーダーシップは、いわゆる普通の政治家。民主主義の仕組みが想定しているリーダーで、既成の社会の秩序の中で利益を配分します。
③投機的リーダーシップ
社会の不満を爆発させます。ヒトラーとかファシストのイメージ。ユダヤ人など社会の「悪者」を作り出したり、戦争したりします。規制の社会秩序を壊します。
④創造的リーダーシップ
これは、社会が不安定になる中で、新しい価値観を提示して、人々を導きます。
明治新政府はこれに近いかなあ。
新宗教の教祖もこんな感じのことを主張して、社会の混迷期に出現しますね。
ヒトラーも新しい価値観を提示し、創造的リーダーシップを演出していたのだろうと思いますから、社会の不安定期に出てくる投機的/創造的リーダーシップは紙一重というか、分別に価値観が入ると思います。
しかしアメリカのトランプ大統領は投機的リーダーシップの感が強いです。
現代のスケープゴートになるのは誰なのか、ムスリムがそうならないように願いたいです。